自由律俳句カフェ

自由律俳人さいとうこうによるブログです。

お借りしました

ずっと読みたかった本をお借りできました。

 

荻原井泉水の「自然・自己・自由」です。

晩年の井泉水の代表作の一つです。

 

どんな世界が広がっているのかワクワクしています。

じっくり勉強させていただきます。

 

感想はまた後日。

(分厚く、読み終わるまでに時間がかかりそうですが…)

 

今日のところはこの辺で。

あなたが佳き句に出会わんことを…。

 

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海紅六月号

海紅六月号が届きました。

 

なんと!

今月の巻頭句に選んでいただきました。

↓の七句です。 

 

さいとうこう

 

パン焼ける匂い風となり君の声になり
陽ざしは春キャベツ今日はネコの箸置きをならべ
その気になれば江戸川あの打球はツーベース
童心というには切実ここから先のしゃぼん玉
曇日のつきあたりならば東方の道をゆく
八百屋アスパラガス振って児は手をふって
きっと何千マイルの人生はあの隅っこの芝桜

 

 

巻頭句とは

毎号二人が選ばれ

投句欄の先頭に掲載される句のことです。

(それ以降は名前の五十音順で各人の句が掲載されていきます)

「巻頭をとる」といって海紅同人にとってはなかなか名誉なことなのです。

 

巻頭をとるために句作することありませんが

(そもそも狙ってできることではありません)

評価されるのは嬉しいものです。

 

今月も多くの同人が投句をしています。

どんな句が待っているのか楽しみです。

 

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海紅六月号

今日のところはこの辺で。

あなたが佳き句に出会わんことを…。

星野鐵之遺作展

太田区民ホール・アプリコで開催されている

星野鐵之遺作展に行ってきました。

 

星野鐵之氏(1939-2018)は横浜出身の画家で

海紅同人平林吉明さんの絵の師匠でもあります。

2018年に亡くなりましたが

平林さんをはじめ多くの教え子たちが恩師を偲び

今回の遺作展が企画されたのです。

 

絵画には疎い私ですが

厚く塗られた力強くかつ繊細なタッチの油絵の数々に圧倒されました。

 

俳句をつくる上で俳句以外の分野から学ぶことは多いです。

絵画、演劇、小説、漫画、科学、SF、、、

俳句以外の様々な芸術から刺激を受け

それを俳句にフィードバックする。

俳句上達における大切なことのひとつだと思います。

 

作品の数々を見ていて気づいたことがありました。

若い頃は暗く重厚な作品が多いのに対し

晩年の作品は明るく爽やかな絵が増えます。

俳句も同じだなぁ、と。

 

俳人

若い頃は真に迫るような深刻な句が多く

年を取るにつれシンプルで軽快な句に変化していく気がします。

(もちろん全員とは言いませんが)

 

若い頃は、俳句が「迷い」の象徴であるのに対し

晩年になると俳句は「救い」の象徴になるのではないでしょうか。

 

私にはまだ老年の心境は分かりませんが、

一代句集などを読むとそのような想いを抱くことがあります。

 

その時その時によって自分の句も変化していくのでしょう。

だからこそ今この瞬間をあるがままに詠んでいきたい。

と、星野氏の絵をみて思ったのでした。

 

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「若者」(1969年 F40 星野鐵之)

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亡き恩師に宛てた平林さんの追悼詩です。師への愛に満ちた言葉の数々が心にせまります。
平林さんの許諾のもと紹介させていただきました。

 

今日のところはこの辺で。

あなたが佳き句に出会わんことを…。

海紅句会

自由律俳句結社『海紅』の句会は、いわゆる「指導者」がおらず「添削」もありません。

 

特に定型俳句では、先生による添削が行われることが普通です。

一方、海紅は「自選」が基本的な考え方です。

 

自分の句は自分で選ぶ、ということです。

 

この自選主義は海紅の初代総編集者である中塚一碧楼によって唱えられました。

作者の個性を尊重し、添削を否定したのです。

 

この精神は今も海紅に息づいています。

 

もちろん、結社の主宰である社主や先輩俳人によるアドバイスはあります。

しかし、あくまでも「アドバイス」であって「指導」や「添削」ではありません。

最後に決めるのは自分自身なのです。

 

先生による添削がないので、自分の句の責任は全て自分にあります。

自選とはある面で孤独で厳しい考え方です。

(だからこそ、ともに切磋琢磨できる仲間の存在はありがたいです) 

 

指導者も先輩も後輩もなく、皆が平等で独立した一人の俳人として参座する、それが海紅俳句です。

 

この海紅の精神を僕はとても気に入っています。

 

今日のところはこの辺で。

あなたが佳き句に出会わんことを…。

 

久しぶりの再会

今日は、僕が所属している自由律俳句結社

『海紅』

の企画の打ち合わせで銀座に行ってきました。

 

ずっと自粛生活だったので、

本当に久しぶりの都心です。

電車に乗るのもほぼ二か月ぶり

新鮮に感じました。

(以前は毎日乗っていたのに!)

 

駅の改札に立つ仲間の顔を見たら、、、

うん、、堪らないものがありますね。

「元気だった~?」なんて、自然と笑顔がこぼれます。

 

これまでも銀座には数えるほどしか来ていませんでしたが、

普段の様子に疎い僕にも人通りは少なく感じました。

 

打ち合わせは「ハバタキ」という企画についてです。

同人誌「海紅」のレギュラー企画で、

毎号一つのテーマを決めて数人の同人で語り合います。

(担当の同人は毎号異なります)

 

今回のテーマは、

「時事句と普遍性」

 

最新の五月号に掲載されている句を中心に時事句の是非について語り合いました。

 

最近の時事と言えばやっぱりコロナですよね。

僕自身は、コロナだけでなく時事句は全くと言ってよいほど作りません。

でも作る方も結構いらっしゃいます。

 

時事句の良い面・悪い面、詩性の話、普遍性の話、作句の上で心がけたいこと、、

などなど時事句について熱く語り合った「ハバタキ」は

「海紅」八月号に掲載予定です。

 

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打ち合わせは銀座木村家さん二階の喫茶スペースにて

 

今日のところはこの辺で。

あなたが佳き句に出会わんことを…。

 

 

 

年をとると

以前、句歴50年を超えるベテラン俳人から

「年をとると句が長くなる」

と、聞いたことがあります。

 

年をとると俳句を作る力が衰え、

ダラダラと長くなってしまうのだそうです。

 

ここでいう「俳句を作る力」とは、

簡単に言ってしまえば、

「一言でバシッと言い切る力」

のことです。

 

ですので、そのベテラン俳人は、

若い時以上に短い句を作ることを心がけている

と言っていました。

 

もちろん、意図して長律の句を作るのであれば問題ありませんが、

無意識にダラダラ長い句になってしまうのは困りものですね。

 

焦点が定まらず、

感動のポイントがぼやけてしまいます。

 

※話は少し逸れますが、

私の経験上、上記の理由から長律句は作るのが難しいです。

ただし、成功した長律句は大変魅力的で、

だからこそ挑戦しがいのあるテーマでもありますが。

 

若い時には若々しい句が、

年をとれば円熟味のある句が、

年齢に合わせて自分の句も変化する。

俳句の大きな魅力のひとつです。

 

と、同時に今の自分の俳句が昔と比べ、どう変化したか。

このことを冷静に見つめる目線も俳人には必要なのでしょう。

 

年をとると句が長くなる。

もちろん誰にでも当てはまる特徴だとは思いませんが、

知っておいて損はない話だと思いました。

 

字数に制限のない自由律俳句ならではの話ですね。

 

今日のところはこの辺で。

あなたが佳き句に出会わんことを…。

 

 

まずは句会

5月25日に東京でも

緊急事態宣言が解除されました。

 

これを契機にだんだんと人の往来が増えていくのでしょう。

 

(徐々にですが)外出ができるようになれば、

何をしたいって、やっぱり一番は句会ですね。

 

この数か月句会をしていません。

 

句会ができなくなったことで、

句会のありがたみを痛感しています。

 

今まで句会のある生活が当たり前でした。

納得のいく句ができず、

(明日の句会いきたくない…)

なんて思った時も数知れず。

 

でも今は、

句の出来なんか気にするよりも

句会に行って仲間とお話がしたいです。

 

自粛期間中は先輩同人が企画してくれて

オンライン句会にも参座しました。

 

オンライン句会にはオンライン句会の良さがあり、

それなりに楽しかったです。

でも、やっぱり対面による句会の「ライブ感」には敵いませんね。

 

私が所属する

『海紅』

の句会の様子についてはまたお話させていただきます。

 

吟行、勉強会、企画の打ち合わせ、食事会、、、

コロナが収束したら、仲間と集まってやりたいことはたくさんあります。

でも、、やっぱりまずは句会ですね。

 

今日のところはこの辺で。

 

 

あなたが佳き句に出会わんことを…。