自由律俳句カフェ

自由律俳人さいとうこうによるブログです。

年をとると

以前、句歴50年を超えるベテラン俳人から

「年をとると句が長くなる」

と、聞いたことがあります。

 

年をとると俳句を作る力が衰え、

ダラダラと長くなってしまうのだそうです。

 

ここでいう「俳句を作る力」とは、

簡単に言ってしまえば、

「一言でバシッと言い切る力」

のことです。

 

ですので、そのベテラン俳人は、

若い時以上に短い句を作ることを心がけている

と言っていました。

 

もちろん、意図して長律の句を作るのであれば問題ありませんが、

無意識にダラダラ長い句になってしまうのは困りものですね。

 

焦点が定まらず、

感動のポイントがぼやけてしまいます。

 

※話は少し逸れますが、

私の経験上、上記の理由から長律句は作るのが難しいです。

ただし、成功した長律句は大変魅力的で、

だからこそ挑戦しがいのあるテーマでもありますが。

 

若い時には若々しい句が、

年をとれば円熟味のある句が、

年齢に合わせて自分の句も変化する。

俳句の大きな魅力のひとつです。

 

と、同時に今の自分の俳句が昔と比べ、どう変化したか。

このことを冷静に見つめる目線も俳人には必要なのでしょう。

 

年をとると句が長くなる。

もちろん誰にでも当てはまる特徴だとは思いませんが、

知っておいて損はない話だと思いました。

 

字数に制限のない自由律俳句ならではの話ですね。

 

今日のところはこの辺で。

あなたが佳き句に出会わんことを…。