海紅令和二年八月号
先日届いた海紅八月号。
私が特に感動した句はこちらです。
街角にすれちがう夏の白いブラウス 渥美 ゆかり
→白いブラウスが爽やかで暑い季節の一幅の清涼剤のようです。
はつなつの老人のかぁんとベンチに 大迫 秀雪
ごびゅるびっと飲む水の やまい克服しお元気で 〃
→絶妙な擬音に人間の生命力が凝縮されています。
目薬さす天井の節と目が合った 小籔 幸子
→一瞬の中にも「動」と「静」があり「詩」があります。
上がりきった立葵が首かしげた 田中 耕司
→首をかしげる立葵が立体的に浮かび上がってきます。
田植えも済んだ白鷺一羽今日も同じ場所 中村 加代
→昨日も同じ場所だったと作者は知っています。
日々を鋭く観察する俳人の眼に脱帽です。
うぐいすの鳴き真似の背につづく 正木 かおる
→作者と「背の人」との関係が微笑ましく癒されました。
今日のところはこの辺で。
あなたが佳き句に出会わんことを…。