湖灯
先日、結社の大先輩から「湖灯」という句集をいただきました。
昭和期に「海紅」、「青い地球」で活躍された長岡まなぶさん(1929~1986)の遺句集です。
どれも素晴らしい句ばかりで長岡まなぶという俳人の力量に圧倒されました。
一部ご紹介いたします。
屠殺される馬でしょう大きな目で人を見て行く
ひと筋源氏螢とばし湖に蓋する
くらしの充血ぼた雪顔のくぼみを埋める
百人の敵をつくりかっこと鳴くも結構
ここで問題は、「長岡まなぶ」とネット検索しても1件もヒットしないことです。
恥ずかしながら私も先輩から教えていただくまでこの俳人を知りませんでした。
こういう歴史に埋もれてしまった優れた俳人がまだまだたくさんいるのでしょう。
「湖灯」を教えてくださった先輩に感謝すると同時に、今を生きる我々の責任とは何かを突き付けられた気がしました。
知り、そして伝える。
海紅には時の流れに埋もれさせてはならない俳人がたくさんいます。
そういった俳人をしっかりと後世へ語り継いでいかねばなりません。
今日のところはこの辺で。
あなたが佳き句に出会わんことを…。